大腸ポリープ・早期大腸がん
大腸ポリープは大腸の粘膜にできる良性の隆起で、初期には自覚症状がほとんどありません。しかし、ポリープの中には将来的にがん化する可能性があるものもあり、大腸カメラ検査で発見・切除することで予防可能です。
ここでは、大腸カメラ検査とは何か、大腸カメラでわかる病気と主な症状について詳しく解説します。
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、直径1cm未満の柔らかいスコープを肛門から挿入し、大腸全体の粘膜を直接観察する検査です。ポリープや炎症、がんなどの病変を画像で確認しながら、必要に応じてその場で組織を採取したり、ポリープを切除したりすることも可能です。
ステージの早い段階で異常を発見できるため、治療の選択肢が広がり、身体への負担も軽減されます。大腸カメラは、胃カメラと比べて、やや抵抗を感じる方も多い検査かもしれません。しかし、鎮静剤を使用することで、痛みを抑えて受けられるよう工夫されています。
また、当院ではご希望に応じて胃カメラと同日の検査も承っており、事前準備や通院回数の負担軽減にもつながります。
令和2年の厚生労働省の統計によると、大腸がんは、女性のがん死亡原因第1位、男性でも第3位でした。年齢を問わず、リスクのある病気といえるでしょう。ただし、大腸がんの多くは良性のポリープから始まるため、内視鏡検査でポリープの段階で発見・切除できれば、がんを未然に防ぐことも可能とされています。
検査時間は通常15〜30分ほどで終了し、ポリープの大きさや数によっては、日帰りでの切除(内視鏡的ポリープ切除術)も可能です。当院では、患者さまの不安をできる限り減らすよう心がけ、安心して検査に臨んでいただける環境づくりに努めています。
大腸カメラでわかる病気と主な症状には、以下が挙げられます。
大腸ポリープは大腸の粘膜にできる良性の隆起で、初期には自覚症状がほとんどありません。しかし、ポリープの中には将来的にがん化する可能性があるものもあり、大腸カメラ検査で発見・切除することで予防可能です。
大腸がんが進行すると、手術や化学療法が必要になる場合もあり、早期発見・早期治療が重要です。
とくに、40歳以降はがんを含む生活習慣病のリスクが高まることが、厚生労働省の統計からも明らかになっています。症状がない場合でも、40歳を過ぎたら定期的な大腸カメラ検査を検討することが大切です。
大腸がんでは、以下のような症状が現れることがあります。
家族に大腸がんの方がいる場合は、注意した方がよいでしょう。健診で異常がなくても、数年おきに大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。
潰瘍性大腸炎やクローン病は、大腸の粘膜に慢性的な炎症を引き起こします。若い方でも発症することがあり、症状が慢性的に続くことが特徴です。
主な症状は、以下のとおりです。
放置すると、栄養吸収の障害や貧血、合併症などを引き起こすこともあるため、注意が必要です。長期的に大腸がんのリスクを高める可能性もあるため、定期的な大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。
虚血性腸炎は、一時的に大腸の血流が低下することで発症します。高齢の方や便秘傾向がある方、動脈硬化がある方に多く見られます。
以下のような症状が現れます。
症状は一過性で、自然に回復することがほとんどです。しかし、大腸がんや炎症性疾患との区別がつきにくいため、大腸カメラによる検査が欠かせません。
過敏性腸症候群自体は、命にかかわる病気ではありません。しかし、日常生活に支障をきたすことも多く、ストレスと深く関係しているといわれています。
検査ではっきりした異常が見られないにもかかわらず、以下のような症状が続く疾患です。
他の疾患を除外するために、大腸カメラによる検査が行われることがあります。明らかな異常がなければ、食事・生活習慣の見直しや薬物療法によって症状の改善が期待できるでしょう。ストレスとの関係により、心理的サポートや生活環境の調整も有効とされています。